調子の「良い日」と「悪い日」がある高齢者
症状詳細
夫とのんびりと暮らしていた。この1年ほど前から「調子の悪い日」があり、その日は表情がこわばり、体の動きもどこかぎこちない。応答もたどたどしい感じがする。しかし、また次の日は普段の本人になっていた。表情もしっかりしている。もちろん物忘れも目立たず、認知症っぽさもない。しかし最近は「調子の悪い日」が少しずつ増えてきているようであった。近くの内科にいったところ、認知症症状を疑われ抗認知症薬が処方された。それを飲むと、全身が固くなったような症状が出現して力が入らず転倒してしまい、継続して内服できなかった。ある夜のこと、夫と寝ていると夜中に「大声で叫ぶ」ような症状があった。明くる日に尋ねても、本人は覚えていない。同様の症状が数回あった。当院に相談した。
治療経過・結果
診察時は「調子の良い日」だということもあり、表情はにこやかであったが、軽度のパーキンソニズムがあった。簡易認知症テストもそれほど問題はなかった。近くの医院で頭部検査を行ったところ、顕著な萎縮は認めなかった。レビー小体型認知症を疑い、抗てんかん薬など少量の薬剤調整を行ったところ、夜間の大声はなくなった。最近は、抗パーキンソン病薬も少量使用して、「調子の悪い日」は少しずつ減ってきている。
考察・解説
「レビー小体型認知症」の例です。この疾患は他にも多彩な症状があり、また「うつ病」のような症状で出現することも多いです。また薬剤に対して副作用が出やすいため、少量での薬剤調整が必要となります。
類似する症例
数年前から時に頭痛はあったが、この1年ほどは毎日頭痛と吐き気に悩まされるようになった。近くの医院で頭部の検査も行い、「片頭痛」と診断され薬を使用していた。頭痛薬は飲むと短時間は効果があるが、すぐに切れるため1日5回ほど使用することもあった。薬の副作用か、時に胃が痛くなることもあった。思い切って当院を受診した。 ...もっと見る
営業職として仕事していたが1年前から残業も多くなり、睡眠や食事の時間も不規則となった。半年ほど前から、仕事前になると頭痛や動悸があったが、1時間ほどするとおさまるので我慢していた。1ヶ月前からは夜に寝付けなくなり、また仕事でも取引先との大事な約束も忘れることが幾つかあり、仕事に集中出来ないときが出てきた。自家用車を壁にぶつける事故もあった。自分でも、また周囲の評価も...もっと見る