調子の「良い日」と「悪い日」がある高齢者
症状詳細
夫とのんびりと暮らしていた。この1年ほど前から「調子の悪い日」があり、その日は表情がこわばり、体の動きもどこかぎこちない。応答もたどたどしい感じがする。しかし、また次の日は普段の本人になっていた。表情もしっかりしている。もちろん物忘れも目立たず、認知症っぽさもない。しかし最近は「調子の悪い日」が少しずつ増えてきているようであった。近くの内科にいったところ、認知症症状を疑われ抗認知症薬が処方された。それを飲むと、全身が固くなったような症状が出現して力が入らず転倒してしまい、継続して内服できなかった。ある夜のこと、夫と寝ていると夜中に「大声で叫ぶ」ような症状があった。明くる日に尋ねても、本人は覚えていない。同様の症状が数回あった。当院に相談した。
治療経過・結果
診察時は「調子の良い日」だということもあり、表情はにこやかであったが、軽度のパーキンソニズムがあった。簡易認知症テストもそれほど問題はなかった。近くの医院で頭部検査を行ったところ、顕著な萎縮は認めなかった。レビー小体型認知症を疑い、抗てんかん薬など少量の薬剤調整を行ったところ、夜間の大声はなくなった。最近は、抗パーキンソン病薬も少量使用して、「調子の悪い日」は少しずつ減ってきている。
考察・解説
「レビー小体型認知症」の例です。この疾患は他にも多彩な症状があり、また「うつ病」のような症状で出現することも多いです。また薬剤に対して副作用が出やすいため、少量での薬剤調整が必要となります。
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