「物忘れ?!」「集中できない」「不眠」で悩む男性・・・
症状詳細
営業職として仕事していたが1年前から残業も多くなり、睡眠や食事の時間も不規則となった。半年ほど前から、仕事前になると頭痛や動悸があったが、1時間ほどするとおさまるので我慢していた。1ヶ月前からは夜に寝付けなくなり、また仕事でも取引先との大事な約束も忘れることが幾つかあり、仕事に集中出来ないときが出てきた。自家用車を壁にぶつける事故もあった。自分でも、また周囲の評価も、それほど気分が落ち込んでいるといった感覚はない。同僚から、「若年性の認知症かもよ!」と冷やかされ、当院を受診した。
治療経過・結果
2週間の休職をとり、抗うつ薬、睡眠導入剤などで治療を開始した。職場の理解もあり、2週間は十分に休養をとれた。頭痛、動悸、不眠は内服開始後からすぐに改善した。職場復帰は無理のない程度で再開した。治療開始後2ヶ月で、注意力・集中力も回復した。
考察・解説
「うつ病」の症状は、最初は気分の落ち込みや不安は目立たず、このように自律神経失調症から始まり、次に注意力・集中力低下が出て来ることもある。周囲からも「うつ病」だとわかりにくいため、治療が遅れることもあります。この方も本格的な「うつ病」になる前に治療できた例と思われます。
類似する症例
特に問題なく生活していたが、「子宮内膜症」があり、婦人科である薬が始まった。婦人科の症状は改善傾向であったが、3ヶ月ほどすると頭痛、めまい、気分の落ち込みなどが出現した。このことを婦人科医師に相談すると、婦人科の薬は中止されました。 しかし精神面の不調は改善せず、当院を受診した。 ...もっと見る
独身、実家暮らしで仕事はしていた。職場では頼られる存在として力を発揮していた。20歳頃から気分の浮き沈みは感じていたが、調子いい時は寝なくても仕事や家事ができる気がしていた。30歳近くなり、浮き沈みが大きくなった感じがあり、調子がいい時はイライラしやすく、人から「最近テンション高いね」「よく喋る」と言われることが多くなった。その頃は金遣いが荒くなる傾向があり、貯金していたものをすべて吐き出す...もっと見る