「やる気が出ず、他人に会いたくない」といった「うつ病」のような老年期女性・・・
症状詳細
2人いた子供はすでに自立して、孫も数人いる。3年前に夫を亡くしてからは1人で過ごしていた。1年ほど前までは、近所の友人たちとバス旅行やデパートに出かけることもあったが、最近は他人に会うのが億劫になってきた。毎日、家事をしたりテレビを見ながら、漫然と過ごしていた。年に数回は、子供や孫たちが遊びに来るが、その時は家族が見ても特に問題はなかった。物忘れなども目立たなかった。この3ヶ月は食欲もあまりなくなり「もう年だから・・・」と食事を抜くことも多くなってきた。入浴も2日おきになってきた。そのことを聞いた家族が「うつ病」ではないかと心配して当院を受診させた。
治療経過・結果
家族は「うつ病」ではないかと心配していた。本人は「いろいろやる気はない、他人に会いたくない」「でも、うつ病ではない」と述べる。会話した印象でも「うつ病」らしさは目立たなかった。簡易認知症テストで23/30と認知症の可能性が示唆された。近くの医院に頭部検査をお願いしたところ、側頭葉の萎縮傾向があることが判明した。本人にも説明したうえで、抗認知症薬を開始したところ、食欲や意欲面が改善され、週に数回のデイサービスも利用するようになった。家族も「以前より元気になった」と安心している。
考察・解説
「物忘れ」ではなく、「意欲低下」で受診した認知症初期の方と思います。認知症の初期はこのような「うつ病」のような方も珍しくありません。特に老年期で「他人に会いたくない」といった傾向は要注意だと感じています。抗認知症薬は、認知機能の低下を緩やかにするといった効果がありますが、薬剤の選択次第で意欲面も改善するといった効果も期待できます。
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